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Our story

僕たちの想い

森のそばに、美容室をつくった話。

東京で美容室を続けてきた僕たちが、次の店をつくる場所に選んだのは、軽井沢でした。

喧騒から離れた、国有林を背中にした場所。

夏には木々が生い茂り、冬には雪が積もる。
東京とは、ずいぶん違う景色です。

なぜ、そんな場所に美容室をつくったのか。
話は、僕たちの仲間に家族ができたことから始まります。

美容師にも、家族との時間がある。

長く一緒に働いてきたスタッフにも、家族ができました。
子どもが生まれ、暮らしが変わり、守りたいものも増えていく。

美容師は、なかなか忙しい仕事です。
土日も働き、夜遅くなることもある。
仕事が好きだからこそ、つい頑張ってしまう。

でも、家族との時間を大切にしながら、美容師として生きていく道があってもいい。

霧のかかった針葉樹の森のイラスト

子どもたちが自然の中を走り回り、季節の移り変わりを肌で感じる。
そんな環境で、仲間とその家族が暮らせたら。
そう考えたとき、軽井沢という場所が浮かびました。

ただ、ひとつだけ譲れないことがありました。

美容の仕事です。

森の中だからといって、美容まで田舎にするつもりはない。

僕たちは今も、東京と軽井沢を行き来しています。

美容の世界は、日々変わります。
技術も、薬剤も、デザインも。
長年の経験だけに頼っていたら、いつの間にか時代から離れてしまう。

はさみと櫛のイラスト

だから東京で仕事を続け、新しい技術に触れ、それを軽井沢でも届けていく。
軽井沢に暮らしているからといって、美容の選択肢が少なくなる必要はありません。

東京で磨いた技術を、軽井沢の日常に。

そのための二拠点でもあります。

そして、次に考えたのが、美容室そのもののことでした。

テーマは、朽ちた美術館。

せっかくつくるなら、どこにでもある美容室にはしたくありませんでした。

思い描いたのは、長い時間を経た美術館のような空間。
少し古びたような質感。
使い込まれたものの美しさ。
華やかに飾り立てるのではなく、素材や光、その場所に流れる時間を感じられるように。

テーマは「朽ちた美術館」。

写真が飾られた、美術館のような店内の通路 アンティークの時計と椅子が置かれたリビングスペース

設計は、最初から最後まで自分で考えました。
そして、施工も自分の手で行いました。

工事が始まったのは、軽井沢の寒い冬。
外には雪が降り、手がかじかむような日もありました。
そんな中で、材料を運び、組み立て、少しずつ形にしていきました。

のこぎりと木材で手づくりする様子のイラスト
Built by hand, in winter.

美容師が、なぜそこまでやるのか。
自分でも、少しおかしな話だと思います。

でも、図面の上で考えた美しさと、実際にその場所に立って感じる心地よさは、必ずしも同じではありません。

椅子に座ったときの景色。
隣の席との距離。
光の入り方。

手でつくりながら、何度も確かめたかったのです。

美と健康と環境。本当にやるなら、建物から。

美容の世界では「美と健康と環境」という言葉をよく耳にします。
僕たちも、その大切さを感じてきました。
でも、言葉にするだけでは、何も変わりません。

美容室では、毎日たくさんの電気を使います。
夏は冷房、冬は暖房。
髪を美しくする場所なのに、そこで過ごす空気や環境について、どこまで考えられているだろう。
そんな疑問もありました。

そこで取り入れたのが、スウェーデンの断熱技術とヒーティングシステムです。
軽井沢の厳しい冬にも、暑い夏にも、エアコンに頼らず快適に過ごせる空間を目指しました。

雪が残る冬のサロン外観
Winter, Oiwake.

実際に、僕たちのサロンでは夏も冬もエアコンを使わずに過ごしています。
風が直接身体に当たることもなく、穏やかな室内環境を保つ。
お客様にとっても、働くスタッフにとっても、心地よい場所にしたかったのです。

環境のことを考えるなら、毎日使う建物から。
健康のことを考えるなら、長い時間を過ごす空間から。
美しさを大切にするなら、目に見えるものだけではなく、その場所のあり方から。

美と健康と環境を、言葉ではなく、実際の空間にしたかったのです。

美容室は、髪を切るだけの場所だろうか。

髪を切る。
カラーをする。
髪をきれいに整える。
もちろん、それが僕たちの仕事です。

でも、美容室で過ごす時間も、お客様の人生の一部です。

光の差し込むセット面の椅子

忙しい毎日の中で、少しだけ自分のために使う時間。
誰かと話したり、何も話さずに過ごしたり。
鏡の中の自分を見て、ちょっと気分がよくなる。

そんな時間を、もっと大切にできないだろうか。

国有林の木々を眺めながら、東京で磨いてきた美容を受ける。
スタッフも、お客様も、自然体でいられる。
そのために、建物から自分たちでつくりました。

僕たちが、軽井沢に届けたかったもの。

スタッフと、その家族が豊かに暮らせること。
美容師として、新しい技術を学び続けられること。
お客様が安心して、気持ちよく過ごせること。
そして、自然や環境にも、できるだけ負担をかけないこと。

ひとつだけなら、もっと簡単だったかもしれません。
でも、どれかを諦めるのではなく、全部を大切にしたかった。

東京で長く続けてきた美容師という仕事を、これから先も続けていくために。
僕たちは、軽井沢に美容室をつくりました。

紅葉の森の中に佇む建物のイラスト

真冬の雪の中で、ひとつずつ手を動かしてつくった小さなサロン。
あの頃は、まだ何もなかった場所に、今はお客様が来てくださいます。

髪を切りながら話をして、笑って、また次にお会いする。
そんな日々が、ここで始まりました。

国有林を背中に、
東京の美容を。

belog karuizawa

今日も、森のそばでお待ちしています。